私は何を知っているか?

Mark/まあく タイトルはミシェル・ド・モンテーニュ(1533~1592)の言葉 「Que sais-je?(私は何を知っているか?)」

スポンサーリンク

私たちは、税理士試験の適正化を要望します
このblogのおすすめ記事

法律討論会に行ってきた

神戸学院で行われた法律討論会を見学してきた。

2009年度 第七回 神戸学院大学法学部法律討論会
2009年12月5日(土)10:00〜18:00
神戸学院大学ポートアイランドキャンパス
法律討論会 13:00〜18:0O B302号室

設例
XはAから甲土地を借り受けて、その地上に乙建物(別荘)を所有していたところ、仕事が忙しく、乙建物を利用する頻度が低くなったため、平成21年7月10日、乙建物とその敷地甲の借地権をYに総額4000万円で売却することとし、代金の支払と乙建物の登記の移転は8月10日と取り決めたうえで、借地権譲渡につきAの承諾を得て、7月14日に甲土地と乙建物をYに引き渡した。ところが、かねてより乙建物の立地条件やその景観等に注目していたZが、Yへの売却の事実を知らないまま、同年7月20日、Xに対して即座に5000万円を支払う用意があるので是非とも自身に売却して欲しいと申し入れた。Xは 5000万円をすぐに手に入れることができるという魅力に抗し難くなり、おそらくYは話し合いに応じて甲・乙不動産の買戻しに応じてくれるであろうと希望的に予想して、7月22日、ZにYへの売却の事実を知らせずに、Zに甲土地の借地権と乙建物を5000万円で売却することに応じた。そのうえで、借地権譲渡についてYとの契約は解消されて改めてZに譲渡されたと説明することでAの承諾を得て、乙建物の移転登記と甲・乙不動産の引渡しは8月20日と取り決めて、7月30日、Zから代金5000万円の支払を受けた。XがYにどのように話を持っていこうか迷っていた矢先の8月7日の深夜、乙建物は第三者の放火により焼失してしまった。

問題
1. XがYに対して8月10日に代金4000万円の支払を求めた場合、Yはその支払に応じなければならないのかどうか、検討しなさい。
2. 上記の設例で、Xが7月30日に代金の支払を受けたのと引き換えに、Zへの乙建物の移転登記を終えていたところ、8月7日深夜に乙建物が第三者の放火により焼失したとする場合、XがYに対して8月10日に代金の支払を求めるとき、Yはその支払に応じなければならないのかどうか、検討しなさい。

(なお、上記両問題を検討するに際して、ZはXに対して代金の返還を求めることができるのかどうかについても、併せて検討しなさい。)

http://www.law.kobegakuin.ac.jp/~hogakubu/info/kannai.html#NO091205

討論会は事前に与えられた設例に対して、各ゼミの代表がその法的解釈について10分間で立論を行い、その後3分間の質問考慮時間を挟み、会場からの質問や反論に答える。その論理構造や質疑応答能力、法的知識適用の巧拙が審査される法学部の競技。

私としては民法の知識が足りなくて、完全に理解できない部分(法〜条では、とか言われるとついていけない)や、初めて聞いた概念もあったが、それも含めて面白かった。授業の成績評価対象となっているのもあるのだろうが、法学部の1年生が会場から活発に質問に立っていて感心した。ちゃんと勉強してるんだなー、と。

司会がユーモラスな方で、突然開会の辞をリングアナみたいな発声で読み上げだして思わず笑った。会場のあちこちでも吹きそうになってた。ちなみにこの司会、白鴎大学の先生だが、白鴎大学と言うと個人的には、めちゃイケの濱口ドッキリで架空の桐堂大学として使われていた印象がいまだに拭えない。