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私は何を知っているか?

Mark/まあく タイトルはミシェル・ド・モンテーニュ(1533~1592)の言葉 「Que sais-je?(私は何を知っているか?)」

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JR長崎本線の「あわや正面衝突」は、不運中の不運により発生した可能性

前の記事を公開したところ、コメント欄に詳しく説明してくれる方がいらっしゃって、事の次第ががわかってきました。
(前の記事の私の記述の一部を訂正します。)
ありがとうございます。
インターネットすごい。


今外出中でしばらく帰らないので、スマホから要点だけを更新します。


事故(インシデント)発生までの流れ
1.下り19号が、異音検知のため、肥前竜王駅場内信号の直上で停車(この停止位置が微妙でした)
このとき、19号は肥前竜王駅を通過予定であったため場内信号機は本線進行現示
2.下り19号が点検のため遅れるため、指令は列車交換駅を変更
下り19号を場内の外方で待機させるため停止現示にし(しかし下り19号からは見えない)、
上り20号に肥前竜王駅待避線への進入を許可(分岐は下り方/上り方とも待避線側に開通)
3.上り20号が肥前竜王駅退避線で停車
4.指令は点検の終わった下り19号に、(分岐器の切り替え後に場内信号機が本線の進行現示になる前提で)運転再開を指示
5.下り19号は最後に見た場内信号機が進行であったので発車(実際には停止現示)
6.下り19号退避線側に進入し非常停止


問題は1の時点で、下り19号は場内信号機を通過したと認識していたが、機械的には手前で停止したと検知される場所で止まっていたこと。
図に示すとこうなります。


f:id:mark_temper:20150524183249j:plain


787系の写真は、真横からの写真が見つけられませんでしたがWikipediaから。
的確な言葉ではないですが、図中に「死角」と書いた、この距離にして約1m前後の間に信号機が入る微妙すぎる位置で停止してしまったようです。
これが指令と運転士との間で認識に齟齬をきたし事故の発端となった可能性が高いです。


鉄道の閉塞の原則は、一つの閉塞(区間)に一つの列車しか入れないルールにすることで列車同士の衝突を防いでいます。
下り19号が停まった位置が、これよりほんの少しでも前に進んでいれば、在線を検知する車輪がセクションを超え、下り19号は既に肥前竜王駅場内に入っていることとなり、上り20号が退避線へ入線する信号の切り替えはできなかったはずです。
また逆に、下り19号がこれよりも手前で止まっていれば、運転再開時に場内信号機が停止現示になっているのでそれを見た運転士は出発しなかったはずですし、出発しようとしてもATSが作動したはずです。(ATSの直下地上子は信号機より少し手前にあるので、それよりも手前に停まっていなければ反応しませんが。)

たまたま停まった位置が、運が悪すぎたとしか言いようがありません。


上り20号の交換駅を直前で変更したり、19号と十分な連絡を行わなかった指令の対応に難があったのではないかと、個人的には思います。
同種の事故を機械的に防ぐ対策として思いついたのは、少しでも列車の前の位置で在線検知を行わせるための車輪(蒸気機関車の先輪のようなもの)を、先頭台車よりも前に取り付けること、ではどうでしょうか。



(5/26 1:00追記)
今回、保安システムの故障や誤動作はなかったようですし、乗務員や指令員に規則に違反した取扱いもなかったようです。ただ、これまで誰も問題視しなかったようなシステム上の穴があった。

1.在線検知をする車輪と車両先端部分の間に数メートルの誤差があること。
2.ATS直下地上子通過後に停止現示を出しても防護が取れないこと。
3.安全側線のない待避線に進路を開通すると、対抗列車側とも進路が繋がってしまうこと。

これらの悪い条件が重なって今回の事故に繋がったと言えます。


報道から裏付けとなる情報が出てきています。

これと前後し、19号は点検を終え、運転士は現在地を「鳥栖(佐賀県)から49キロ地点」と指令に報告した。根拠は、車内モニターに表示された数字。しかし、車輪の回転から距離を計算するため厳密ではなく、正しくは49・16キロ地点だった。この約160メートルの差で、指令は19号が、直前に停止した肥前竜王駅手前の信号に達するまで「余裕」があると誤解した。

 指令側にも、誤解が増幅する要因があった。指令センターにも、19号は信号手前に止まっていると表示されていたからだ。運転席の位置は信号を数メートル過ぎていたが、車両全体は信号を過ぎておらず、信号を越えたと判定するセンサーまで数十センチ届いていなかった。

 緊急停止後、信号は赤に変わっていた。指令は、19号を信号まで進ませ、そこでポイント(分岐器)を待避線から本線に切り替えるつもりで、運転再開を許可した。

 徐々にスピードを上げていく19号。しかし、運転士の前方にすでに信号はない。本線を進むと誤解していた運転士は、待避線に約40メートル入った地点で慌ててブレーキをかけた。20号は93メートルまで迫っていた。自動列車停止装置(ATS)が作動する地点は過ぎていたため、ブレーキが少し遅れれば、ぶつかる危険があった。

システム過信、重なる誤解 あわや衝突のJR特急 : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)