私は何を知っているか?

Mark/まあく タイトルはミシェル・ド・モンテーニュ(1533~1592)の言葉 「Que sais-je?(私は何を知っているか?)」

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中日新聞社刊『新・百景だがや』『時流の先へ 中部財界ものがたり』

私は毎日1時間以上かけて隅々まで読んでいるから、中日新聞の熱心な読者と言えるだろう。たまに目の付けどころがおかしいと思うような記事もあるが、まあそれは中日新聞に限ったことでもない。


本紙連載中から注目していたシリーズをまとめた本が2冊出たので買った。写真部編集の『新・百景だがや』と、経済部編の『時流の先へ 中部財界ものがたり』。この地方以外でどれくらい出回っているのか知らないが、なかなか面白い本なので興味のある方には是非手に取って欲しいと思い、紹介しておく。(余談だが、最近では購入翌日には届くこともあって重宝しているAmazonで、4月30日に注文したら倉庫に在庫がなくて取り寄せていたのか、到着まで13日もかかった。


中日新聞の連載と言えば、大沢在昌の連載小説『雨の狩人』も良かった。暴力団対策法の強化で、暴力団の存在そのものが難しくなった。結果として反グレ集団のように地下化して、警察が犯罪者集団を捕捉できなくありつつある現状を描いた、リアリティのある小説だった。これも単行本化されたらもう一度読んでみたい。

連載小説と言えば、先日お亡くなりになった渡辺淳一氏の『愛の流刑地』は、日経新聞に連載されていた当時私は楽しみに読んでいた。氏のご冥福をお祈りします。

『新・百景だがや』

『新・百景だがや』には、あっと驚くような視点で街の風景を切り取って見せる写真が収録されている。その日その瞬間しか見られないイベント的なものから、その地に住んでいる人にとっては見慣れている日常の光景だけど外から来た人には「なんだこれ」と思わず言ってしまう珍スポットまで。新聞に載る写真を参考にしているアマチュアカメラマンも多くいるだろう。









『時流の先へ 中部財界ものがたり』

こちらは中部を代表する企業の勃興の歴史を、当事者の子孫などにあたり綿密な取材に基づいて書いたもの。郷土史としても、ビジネスの指南書としても、あるいは財を成した経営者たちの伝記としても楽しめる。明治期の激動の時代をどう過ごしたか、大戦に際しどう対応したか、画期的な発明やビジネスモデルはどう誕生したのか。記者の取材に対し、当初は証言を拒む関係者もいて苦労したようだが、連載が進むうちに好評となり話をしてくれる人も出て来たという。


現在紙面では満を持して、トヨタのシリーズが連載されているから、これも追って単行本化されるだろう。

 第1章「よみがえる松坂屋」 (松坂屋CBC
 第2章「電力の鬼」 (中部電力大同特殊鋼など)
 第3章「東海銀行の誕生」 (東海銀行
 第4章「走り出す名鉄」 (名古屋鉄道名鉄百貨店明治村名古屋テレビ塔中部ガスなど)
 第5章「陶磁器を世界へ」 (ノリタケ日本ガイシ日本特殊陶業、TOTO、INAXなど)
 第6章「名古屋財界三派の興亡」 (岡谷鋼機タキヒヨー、瀧定、東邦ガス東洋紡名古屋証券取引所など)
 第7章「醸造の里 知多」 (ソニー、盛田、ミツカン敷島製パンココストアなど)
 第8章「広がるものづくり」 (ブラザー、リンナイオークマなど)
 第9章「零戦から始まった」 (三菱重工川崎重工中島飛行機愛知時計電機
 第10章「世界を見つめた真珠王」 (ミキモト

Amazonのカスタマーレビューから拝借)