私は何を知っているか?

Mark/まあく タイトルはミシェル・ド・モンテーニュ(1533~1592)の言葉 「Que sais-je?(私は何を知っているか?)」

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お金について学ばないものは損をする

マネーマネジメント検定

大学でイベントビジネスを教えるO先生が、お金に関する著書の多い泉正人さんを招いて、マネーマネジメント検定の講座が行われたので参加してきた。

どうやってカネを儲けるかというガツガツした話ではなく、お金は使い方次第でものすごく損することになるね、どう使うのが賢い生き方かな、という現実をたんたんと教えていく講座だった。講演の内容をトレースする必要はないだろう。下で紹介するテキストを読んでいただきたい。

テキストが2000円(+税)。テキストを読んで50問の○×と4択問題を往復はがきに記入して送る(切手100円)と、8割以上の正解で認定証が送られてくるらしい。もし不合格だったら「もう1冊改めてご購入のうえお申し込みください」とのこと。まさかのw まぁ普通にやっていけば2割以上も間違えることはないだろう。テキスト見てもいいんだし。私は講演の最中に全部解いてしまった。

さてこのマネーマネジメント検定についてだが、2級は試験も常識力クイズのような簡易なものだし、検定自体の普及を狙った半分宣伝の要素があるように思う。間口を広く取っておいて、興味関心を煽って、食いついた人間をさらに吸い上げると言う。1級になると受講料:50,000円、認定料:10,500円、試験料:10,500円とかかる。正直に申し上げて、この検定自体に全体的に情報商材ビジネスっぽい匂いを感じる。あんまりdisるのもなんだから付け加えておくと、ここで身につく知識自体は生きていく上でとても大切なことだと思うし(人生の三大支出=住宅・保険・教育、等)、この2級のテキストは単元ごとに少ない文字数で要点がまとまっていると思う。金銭教育の普及という社会的還元を果たしているしその点は素晴らしいと思う。しかしやっぱり胴元は一番おいしいんだなというのがこの日一番の感想。特に教授に引っ張ってこられた、普段は人前で話さないと言う理事長、泉正人さんのお話を聞くにね。 

1級を取った後は、インストラクター養成講座があり、教える側に回ったりセミナーがあったりと持続可能な仕組みが用意されているのだが、これ、A・F・T色彩検定秘書検定等の民間資格でも同じ仕組みが存在する。繰り返すが、私はこれらを資格商法と一概に否定するものではない。これらを勉強する過程で身につくものがあり、学ぶインセンティブ、学ぶための場を提供しているという点で貢献があるだろう。このような仕組み作りを思いつく人間は頭がいいなあと思うが、これを考える上で参考になるのが以下の本で書かれている「新・家元制度」というものだ。マネマネ検定でも主婦をインストラクターにし(肩書きを与える)、女性の口コミで仲間を取り込む、資格保有者として細川茂樹森下千里といったタレントを広告塔にしメディア露出、ブランド構築を図るなど、これに沿ったことが行われているようだ。


お金に関する資格試験ということでは、私は以前に日経新聞の主催する日経TESTを受けたことがあるのだが、この公式テキストが日本経済を理解するのにとてもよい教科書だ。マネマネ検定が個人のライフプランの中でお金をどうやりくりするか、その手段の一つとして投資をしたり、経済の影響を学ぶという、経営(家計)学寄りなのに対して、日経TESTは経済学の視点から世界・日本経済と企業、市場、政治との動きを読み取る。当然相互に関連している話なので両方学ぶことでより理解が深まると思う。

そして株取引やFXなどに興味を持って実際に資産運用してみたいけどまず何からやったらと思った時にお勧めの本はこれ。これで手に入れた知識だけで取引するのはまだ十分ではないと思うが、基本的に覚えておかないと困る概念や用語がマンガでざっくり頭に入るので、その後が取っ掛かり易くなるのではないかと思う。

余談

ところで前出の2級のテキストは、お金について学ばないことのリスクを訴え、基礎的な知識を教える入門的な内容だが、これでもダルイ、小難しいという人には、西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』をお勧めする。お金の大切さについてもっと実感的に知ることができると思う。貧困が如何に人の心を蝕むか。カネが如何に人生を狂わすか。健全な金銭感覚を身に付けておくことがいい人間関係を作るのにどう役立つか。


講演の中で出た話で、株式投資をパーティーに例えた話が一番印象深かった。何やらパーティーが盛り上がってるらしいと聞いて遅れて行っても、おいしい料理も残ってない、いい感じの相手を見つけた人は抜け出してて綺麗な女性もいない、参加費だけしっかり取られて損するだけ。パーティーの始まりに参加することが肝心。株も同じでグラフが上向いていく時に参加すること。

これを聞いて私が連想したのは株にはあてはまらない、パーティーあるいはその他の話。大事なのは友人がいること。パーティーが盛り上がってるしいよってことを早めに教えれくれる友人がいればいいのだ。自分でも調べられないことはないけども、情報を漏らさないようにするために張り付いてなければいけない。経済学で言えば取引コストが高いってことだよね。俺のようなぼっちは一生懸命自分で調べるんだけど、友人が100人いてそのうちの一人がめちゃくちゃ詳しくて教えてもらえたらその方が効率がいいもんね。ぼっちは損だよ。

何をやるにしてもネットワークを持っていた方が得。、、、って何の話をしていたんだっけな。