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私は何を知っているか?

Mark/まあく タイトルはミシェル・ド・モンテーニュ(1533~1592)の言葉 「Que sais-je?(私は何を知っているか?)」

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amazon.co.jpの課税問題まとめ

アマゾンが日本の税務署に税金を払っていないことが発覚した。日本での売り上げもアメリカの売り上げとして計上して、米国当局に払っていたようだ。amazonは私もよく利用しているので、気になっていろいろ確認してみた。特別に新しい事実がわかったわけではないけど、備忘録としてまとめ。

アマゾンに140億円追徴 国税局「日本にも本社機能」
米国のインターネット通販大手アマゾン・ドット・コムの関連会社が東京国税局から140億円前後の追徴課税処分を受けていたことが分かった。アマゾンは、日本国内での販売業務を日本法人に委託する一方、日本の顧客との商品契約はこの米関連会社と結ぶ形で、売り上げも米側が得ていた。しかし国税局は、実際の本社機能の一部が日本にあるとして、数百億円の所得を日本に申告すべきだったと認定した模様だ。

課税されたのは、北米以外の各国の事業を統括する本社機能を持つ「アマゾン・ドット・コム・インターナショナル・セールス」(本部・米シアトル)。アマゾン側は米国に納税しており、日本側の指摘を不服として日米の二国間協議を申請。日米の税務当局間で現在、協議中という。日本法人「アマゾンジャパン」(東京都渋谷区)は「課税は不適切で、当局と議論を継続している」とコメントしている。

 米関連会社はアマゾンジャパンに販売業務を、「アマゾンジャパン・ロジスティクス」(千葉県市川市)に物流業務を、ともに委託して手数料(コミッション)を支払う一方、それ以外の大半の中枢機能は米側に集中させていた。問屋(といや)(コミッショネア)商法の一種とみられる。日米の税率はほぼ同水準だが、契約や売り上げと共に納税先を米側に集中させることで結果的に納税額も低くできる。
(中略)


〈問屋商法〉 進出先の現地法人には販売などごく一部の業務に限定させる一方で、在庫の管理や為替変動などのリスクとともに、管理部門も本国に集中させてコストを削減することで、利益の最大化を図ることができる。米系の多国籍企業などに近年、採用されるケースが多いとされるが、進出先の国にとっては課税対象になる所得の流出につながる側面がある。

http://www.asahi.com/national/update/0704/TKY200907040278.html

図も記事から引用*1

記事の通り、amazon.co.jpサイトでの買い物はAmazon.com Int'l Sales, Incとの契約で、代金もそっちに払い、商品はInt'l Salesから委託を受けたアマゾンジャパンから顧客の元に配送されるということになっている。が、常識的に考えて、日本の出版社(やレコード会社やその他諸々)から仕入れて、日本の消費者に日本のインフラを利用して販売された取引の課税分がアメリカの政府に行くのはおかしいでしょうよ。日本で売り上げた分の税金は日本に納めてくださいよ。

アマゾンは、「倉庫は別会社である日本法人が独自に運営しているものだからアメリカ法人とは関係ないですよ」と言っている。ところが国税局は、「いやいや倉庫もアメリカ法人の指示で仕事していて、実際は支店みたいなもんでしょ。アメリカ法人が日本で仕事した分は日本に払ってくださいな。」と。アマゾンは既にアメリカで納税しているので、一度アメリカの当局から返還してもらって日本の当局に納めなおすことになるけども、アメリカと日本の当局が協議中とのこと。今回国税局が指摘した分は05年12月期までの3年間だそうなのだけどまだ協議中なのかしら。


amazon.co.jp利用規約を確認してみた。

Amazon.co.jp 利用規約

更新日:2008/12/5

Amazon.co.jp へようこそ。Amazon.co.jpAmazon.com Int'l Sales, Inc.,の米国のトレードネームであり、Amazon.com Int'l Sales, Inc.は、その関連会社の許可のもとAmazon.co.jp を商標として使用しています。Amazon.co.jp、米国の法人であるAmazon.com, Inc.,およびその関連会社(以下総称して「アマゾン」という)は、以下の規約に基づいて、お客様にサービスを提供いたします


会社所在地

Amazon.com Int'l Sales, Inc.
1200 12th Avenue South,
Suite 1200
Seattle, WA 98144-2734
USA

日本でのお問い合わせ先

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-15-1
アマゾンジャパン株式会社 気付
Amazon.com Int'l Sales, Inc.宛
電話: 0120-999-373

http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?ie=UTF8&nodeId=643006

というわけで確かに、amazon.co.jpは単なるサイト名でブランドみたいなもんですよ。実際に運営しているのはAmazon.com Int'l Sales, Inc.ですよと書いてある。

アマゾンは消費税を取っておきながら納税していない?

ところで、税金には法人税とは別に消費税がある。法人税は会社の儲けに対して課税されるものだが、消費税は消費に対して課税される。物やサービス、全てのものを売ったり買ったりしたときにご存知の通り5%が自動的に発生する。買った人が売った人に対して"預け"て、最終的に持っている人が税務署に納める。amazon.co.jpでの買い物でも消費税が"預か"られている。

消費税は、お届け先が日本国内の場合のみ課税されます。Amazon.co.jp ではお客様にご注文いただいた各商品、サービスに対し、5%の消費税を課税しております。

http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=642972


あれ?でもアマゾンはamazon.co.jpでの売り上げはアメリカ法人のものだって主張してるんだよね。てことは日本での消費税の課税対象にならないんじゃないのかな。なのに、実際に消費税を取っているってのはどういうことなんだろう?


消費税を納める人というのは次の通り定められている。

消費税の納税義務者は、事業者と外国貨物を保税地域から引き取る者です。
1 国内取引の納税義務者

 国内取引の場合には、事業者は、非課税取引を除き、事業として行った資産の譲渡や貸付け、役務の提供について消費税の納税義務を負うことになっています。


消費税には免税点が設けられており、その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1千万円(注)以下の場合には、その課税期間の納税義務が免除されます。


2 輸入取引の納税義務者

 輸入取引の納税義務者は、その輸入品を保税地域から引き取る者です。したがって、事業者だけでなくサラリーマンや家庭の主婦なども輸入品を引き取った場合には、納税義務を負うことになります。
 輸入品を保税地域から引き取る者には免税点の規定はありません。  

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6121.htm
国内取引の場合

消費者(買った人)は事業者(売った人)に消費税を預け、事業者(売った人)が税務署に納める。

輸入取引の場合1(個人で輸入する場合)

輸入した人が自分で税関に払う。

輸入取引の場合2(輸入業者を挟む場合)

消費者は輸入業者に消費税分を含めた代金を払う。輸入業者が税関に払う。



輸入の場合、輸入した物品に対して関税というまた別の税金も発生する。日本からAmazon.comで買い物をすると関税と消費税の課税通知書が税関から送られてくる。(実際には徴収を代行する郵便配達の人にお金を渡すようだ。)但し、課税価格1万円以下の取引に関しては関税も消費税も免除。

個人輸入に対する消費税の怪: 望湖庵日記 Lakeside Diary

リンク先の課税通知書を見ると、関税は無税。課税価格+関税(1000円未満切捨て)に対して消費税(消費税が4%と地方消費税が1%)がかかる。さらに税額100円未満は切り捨てかな?(随分切り捨てるなあ。)

例1:外国法人が国内で資産の譲渡等又は役務の提供をした場合

これは実務上、頻繁に出てくるケースなので、例を挙げて説明します。
例)US法人が日本法人からソフトウェアの開発依頼を受け、日本に技術者を派遣する場合。
このとき技術者は日本でソフトウェアの開発を行い、US法人は開発の対価として、日本法人へ請求書を発行するとします。

この場合、役務提供地が日本であるため、消費税法上は課税取引です。US法人は請求書に消費税を上乗せしなければなりません。

http://dp21244855.lolipop.jp/template124.html

あー、これと同じか。amazon.co.jpで買い物をした場合は、資産の譲渡を受ける場所が日本だから消費税の課税対象なのか。直接商品を配送してくるのはアメリカ法人からの委託を受けた日本法人(からさらに委託を受けた配送業者)だから話がややこしいけど、それも込みでの契約ってことになるのかな。"米国の法人であるAmazon.com, Inc.,およびその関連会社"の関連会社の部分に日本法人が含まれてるのか。そうすると消費税はアメリカ法人から払ってるのかな。

結論

  • Amazon.com, Inc.は、amazon.co.jpでの所得にかかる法人税国税局の協議次第で今後日本に納めることになるかもしれない。
  • Amazon.com, Inc.は、amazon.co.jpでの取引にかかる消費税は(サイトに書いてある通りなら)日本の税務署に払ってるらしい。

*1:画像の挿入を初めて使ってみた。おぉ、簡単だ。